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JCE7

JCE7(第七回日本伝道会議)が今後の日本宣教にもたらすもの 「教会というのは、福音というのは、不快感を起こさせるものなのだ」 これは今年岐阜県で行われたJCE7(第七回日本伝道会議)の講壇より、塚本良樹氏(国際基督教大学/慶應/フラー神学校卒。現KGK主事)より発せられた言葉でした。

 「使徒の働き10章」より、ペテロのビジョンの不快さ、異邦人との交わりの不快さ、それが遂にエルサレム会議(不快の頂点)にまで発展していく。しかしそれが、今の私たち、いや世界の教会と世界宣教(自分の民族以外への伝道)の土台を作っているのだ。私たちは主が働かれた時に起こる「不快さ」への覚悟ができているか、という挑戦でした。  

今回、6人のOM宣教師がJCE7に参加しました。7年に一度しか行われない日本伝道会議は、2030年までの7年間の日本の教会の方向を示す重要なものでした。そのテーマは「おわりから始める」。会場となる岐阜市が尾張(おわり)地区であることにかけているのですが、もう一つの大事な意味があります。それは、現代の日本の社会やニーズにそって伝道をする上で、「何を始め」、そして「それを行うためには何を終わら(おわら)せるべきなのか」という問いを、日本の教会に投げかけるものだったのです。  

少子高齢化や過疎化、若者の教会離れ、献身者不足などの様々な課題。この状態が長年蔓延している現代において、多くの地域で教会は消滅寸前またはすでに消滅している…。この問題の打開策を作るとなれば、これまであったものを壊さなければならない。昔から、常識や伝統を壊すことができるのは、「馬鹿者」「よそ者」「若者」と言われています。今回のJCE7では「講壇に上がるのは50歳まで」という年齢制限をもうけ、若い牧師の発表が相次ぎました。 

同盟基督教団の山本陽一郎牧師の言葉、「今の日本の教会はコロナから立ち上がろうとしている時。以前に第6回(2016年)伝道会議があったから第7回も、と当たり前と思って来てはいけません。これが日本の教会のターニングポイントになる!という会議にしましょう。」この通り、変化を求められた会議でした。  

そういった中で「宣言文」が作られ、JCE7最終日に読み上げられました。全6項目の宣言文の中で、4つが「宣教協力」についてでした。一つの項目につき、約3分かけて読み上げる長さの文章です。その一部を抜粋します。  

 

第2項 立場を超えた宣教協力を「はじめる」ことができるように これは信徒と教職者が、互いの役割を理解しつつ、協力、尊重し合って教会を作っていくことです。ワンマンなリーダーが全てを決め、会衆は黙って座って、聞いていれば良いという時代は終わりです。現代の日本での宣教はお互いを尊重した上で、全員で伝道していかなければならないということです。
 

第3項 教派を超えた宣教協力を「はじめる」ことができるよう 言わずもがな、教団/教派/教会の壁を超えての宣教協力。日本には170を超える教団があり、世界でも珍しい状況です。そしてあまり健康的とは言えないようです。実際、40代の牧師の多くが、福音派とカリスマ派を分ける壁にうんざりしています。そういった派閥は人を惑わせ、信仰熱心な方の炎を消失させます。日本の教会の力を分散させ、宣教の力を奪っていってしまいます。この宣言の実現に必要なものは、愛、悔い改め、また謙遜な心です。
 

第4項 地域を超えた宣教協力を「はじめる」ことができるように オンラインの力によって、「物理的距離」に制約を受けないミニストリーがすでに生まれている現実。もちろんオンラインは完全な方法ではありません。しかし、過疎化や地理的な孤立を強いられている多くの教会がこれにより益を受けることができます。また、諸所の教会の孤立を無くしていくことで、異端化していくことを防ぐことができます。
 

第5項 文化を超えた宣教協力を「はじめる」ことができるように 日本国内にある外国語礼拝の方々との協力。そして海外にある日本語教会との宣教協力。

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