OM History | 歴史

世界宣教へ

1957 年にジョージ・バウワーによって始められたOM(Operation Mobilisation)は、現在世界約110カ国で3200 名が活動している世界的宣教団体です。

この世界的な働きは、一人の婦人の祈りから始まりました。米国ニュージャージー州のクラップ婦人は、地元の高校生が救われ、宣教師となって出て行くようにと15年間祈り続けていました。彼女はヨハネの福音書を当時未信者だったジョージ・バウワーという高校生に渡したのです。この小冊子がきっかけとなり、ビリーグラハム伝道大会で献身した彼は、すぐに在学していた高校で伝道活動を始めました。

Billy Graham

1957年夏、大学生だったジョージは、当時メキシコで福音があまり伝えられていないことを聞き、友人と共に1万冊のヨハネの福音書と2万冊のトラクトをトラックに積め込みメキシコへ向かいました。翌年も同様の伝道をした結果、祈りの課題であったキリスト教書店、当時政府によって禁止されていたキリスト教ラジオ局と聖書通信講座、メキシコ人の宣教師が、何とその夏の終わりに与えられたのです。その後メキシコ伝道の働きはさらに広まり、彼が学んでいたムーディー聖書学院から多数の学生が参加するようになりました。

Send the light

やがてこの学生グループの宣教のビジョンは、全世界の「閉ざされた」国々へと向けられていきました。1960年、多くの祈りの後、彼はスペインへと移り住み、ヨーロッパでの働きが始められました。当時宣教活動が制限されていたこの国で、手紙を通してヨハネの福音書と聖書通信講座を無償で提供するこの働きは、最初の2年間で2万を超える応答を得、多くの人々が救いに導かれました。しかしビジョンはさらに拡大していきました。

1962年夏、100名の若者の参加を祈っていた西ヨーロッパ全域への文書配布伝道には200名の参加があり、次の年には2000名の若者がこの3ヶ月間にわたる夏期伝道活動に参加し、8万あまりの町や村へ伝道したのです。程なくこの動きは、ヨーロッパから中東、南アジアへと進展しました。1964年、夏期伝道の後も200名の若者が残り一年間の伝道訓練と実践を行ったことから、1~2年間の短期宣教訓練プログラムがスタート。また小グループによるインドでの文書伝道を通してインド人の働き人が起こされ、以来これが拡大しつづけて近隣のネパール、バングラデシュ、パキスタンへと波及し、今やインドはOMの宣教地の中でも最多の1500名ほどの奉仕者を抱えるまでになりました。

イスラム圏への伝道も、OMの創成期よりジョージ・バウワーや他のリーダーたちの長年の重荷、また祈祷課題でした。直接伝道の困難な中東や北アフリカでOMが伝道し始めて約三十数年、文書配布、交友伝道、聖書通信講座や地域発展プロジェクトなどを通して数多くの人々が導かれ、教会開拓がなされています。

70年代に入ってOMの世界宣教へのアプローチは、2隻の福音船、ロゴス号とドゥロス号を有することによってさらにユニークな側面を持つことになります。大量の文書と伝道スタッフを乗せて世界各国に寄港するこの福音船は、行く先々で歓迎され、寄港先の教会、また一般の人々にも大きなインパクトを与え続けています。

その後、働きは東ヨーロッパ、南アフリカ、東南アジアへと広まり、ソビエト連邦の崩壊後は旧ソ連中央アジア諸国での教会開拓も進められてきました。90年代に入り東アジア、東南アジアでの働きも推進、拡大しています。